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【和歌山市の歯医者】地域医療・健康を支える口腔衛生管理体制の重要性~歯科の枠を超えた地域一体となった取り組み~
こんにちは。和歌山市弘西の歯医者【なかにし歯科医院】です。
今回は、地域医療・健康を支える口腔衛生管理体制の重要性~歯科の枠を超えた地域一体となった取り組み~についてのお話です。
■口腔衛生管理体制とは?
介護保険施設(特養、老健、介護医療院)及び特定施設のケアマネジメントの一環として、歯科医師または歯科医師の指示を受けた歯科衛生士と関連職種の共同により、口腔衛生に係る課題把握・改善を行い、入所(居)者に適した口腔清掃等を継続的に行うための体制のことです。
■口腔ケアが全身の健康に及ぼす影響とは?
近年、お口の中の細菌が全身の健康に与える影響について研究が進み、特に高齢者の方では誤嚥性肺炎の原因にもなることがわかってきました。私たち歯科医院の役割は、単に「歯を治す」だけではなく、地域の皆さまの健康を総合的に支えることが重要であると考えています。
介護保険制度の改定により、特別養護老人ホームなどでは口腔衛生管理体制が必須になりました。しかし現場では「どのように口腔ケアを行えばよいのか」「どんな歯ブラシを選べばよいのか」など、具体的にどのようなことを行えばよいかと困っている施設様が多いです。
■介護施設等で研修内容
主には口腔ケアの必要性と手順が中心になります。例えば、基本的なブラッシング方法はもちろん、口を開いてくれない方に対するアプローチ方法、誤嚥を防ぐための注意点などをお伝えしています。
また、口腔リハビリについてもご説明します。唾液腺のマッサージを行うことで唾液の分泌が促され、自然な潤いが戻ってくることで舌苔がつきにくくなったり、口腔内環境が改善したりと様々な効果が期待できます。

■介護現場で求められる専門的な口腔ケア指導
介護福祉士の方々は利用者さんのケアに一生懸命取り組まれていますが、口腔内の専門的な知識については不安を感じていらっしゃる方も多いです。
例えば、入れ歯の汚れや歯と歯茎の境目の清掃など、表面上は綺麗に見えても実は汚れが溜まっている部分があります。そういった「プロの歯科衛生士としての視点」を共有することで、より効果的な口腔ケアを実践していただけるように心がけています。
■「噛む・話す」は生きる力~口腔機能の大切さ
口腔ケアが行き届いていない状態だと、歯周病が悪化し、歯肉の腫れや出血・痛みが生じます。また、歯周病菌が血液に入ることで心筋内膜炎や心筋梗塞といった心疾患のリスクが高まります。ほかにも認知症にも影響するという研究結果も出ています。
そして深刻なのは、口腔機能の低下です。噛む力が弱くなると、本来は普通に食事ができるのに、安全のためにペースト状の食事を提供するという判断がなされる場合もあります。
食べる機能があるのに食べさせてもらえないのは本当に悲しいことです。食事は人生の楽しみの一つでもありますし、その楽しみを奪ってしまわないよう、適切な口腔ケアで機能を維持していくことが大切だと考えています。
噛む力を維持することで、消化器官への負担も軽減されますし、脳への刺激にもなります。
口腔ケアは単なる清掃ではなく、生活の質を維持・向上するための重要な「ケア」です。
■地域とのつながりを深める活動への想い
なかにし歯科医院が目指しているのは、地域の皆さまが「健康的で楽しい生活を送る」ことができるようにサポートすることです。
歯科医院というと「痛くなったら行く場所」というイメージがまだまだ強いですが、治療が必要だから行くのではなく、予防のために定期的に通っていただく、そして困ったときには気軽に相談していただける存在でありたいと思っています。
介護施設での研修を通じて、口腔ケアの重要性をより多くの方に知っていただき、地域全体の口腔への意識を高めていきたいと思っております。
高齢・病気・障がいなどの事情で通院が困難な方、ご家族の口腔ケアでお悩みの方は、まずはお気軽に【和歌山市の歯医者】なかにし歯科医院にご相談ください。
